川島 朗 作品展『 魔女綺譚 』 9.27(土)- 10.7(火)
¥180,000
▫︎ 『 ウロボロスの魔女 / The Ouroboros Witch 』
▫︎ 品番 251001
▫︎ 年代・国 2025年 Japan
▫︎ サイズ 約310x306x60mm
▫︎ 配送サイズ 100-120サイズ
発送は作品展終了後になります
ボックス・アート作家 川島 朗の『 星読みの書 / フレインとレイザ 』
2025年作品展『魔女綺譚 』イメージ作品
デジタルペイント、デジタルプリント、コラージュ、アッサンブラージュ、水性塗料、アクリル絵具、錆塗装、エイジング塗装、エイジング加工、樹脂造形、ジェスモナイト、ウレタンニス、木工
箱あり
Story
世界は崩壊の瀬戸際にあった。時間の継ぎ目に裂け目が走り、
過去と未来が交錯しながら、現実の縫合はほどけていく
魔女リドアは、その歪みを修復する唯一の術として、禁忌とされた『時の反転』の魔法に触れた
それは、選択肢ではなく必然であり、彼女に許された最後の自由だった
しかし、その代償は予兆のごとく訪れる。術式が発動した刹那、時間は一枚の環に折り畳まれ、
世界の裂け目は閉じたが、同時に彼女自身の存在もウロボロスの輪に封じられた
そこは『始まりと終わりの境界』が欠落した領域
あらゆる出来事は円環の内で繰り返され、記憶は自らを再生しながら、やがて意味を失っていく
幾度もの脱出を試みるたび、時の羽根は宙を舞い、鮮血を散らし、
そして輪はより強く収縮し、彼女を原初の一点へと引き戻す
時間は、鎖のようであり、迷宮のようでもあった
やがて、記憶の端々に微かなひびが走り、リドアは自分が何を救おうとしたのかさえ忘れかける
最後の試みに、彼女はすべての魔力を断ち切り、小さな呪物を輪へと投じた
それは、彼女自身の存在をも否定する行為
永遠の流れはその瞬間、崩壊し、新たな時の層がひらかれた
だが、そこに彼女の名を呼ぶ声はなかった
輪廻の残響だけが、夜風に紛れて漂い、知られざる郷愁の影となって、
この世界の片隅に沈んでいた
そして、リドアの残滓は微かな光となり、やがて星々に混じり、誰かの夢の深みに落ちていった
その夢を、彼女はもう二度と知ることはない
※装飾品は含みません
川島 朗 / 1975年、兵庫県生まれ
1997年より、個展・グループ展などでボックスオブジェやコラージュ作品を発表
その頃より一貫して、人々の心の奥に眠る遠い記憶(ノスタルジア感情)をテーマに作品を制作している
制作手法としては、架空の物語・神話・歴史・人物・映画・場所などを着想、
そのイメージに合う、古書や写真の切れ端・アンティークポストカード、古い手紙などを探し出し、それらエフェメラにコラージュ、ペインティング、ドローイング、アッサンブラージュ、フォトグラフ、CG、エポキシ樹脂、エイジング塗装など
様々な技法を加えて、自作の箱や額縁、ブロカントの小箱などに配置し作品を創り上げている
心の奥に潜む架空の物語世界を、ボックスオブジェなどのカタチあるものに創り変えることで、その物語に浮かび上がる無意識下の記憶をすくいあげ、言葉では表現できない思索的かつ神話的なものを発見したいと考えている
そして、その架空の物語、及び記憶が、未だ出会ったことのない多くの人々の記憶に微かな爪痕を残し、その人々の記憶の一部となれば、素敵なのではないかと日々考えながら制作を続けている
『記憶を紐解くことは、未来を見つけることである』
という、マッシモ・ドルトフスキの言葉にならって